「……こっち向いて?」


窓ばかり見つめて素っ気ない返事しかしないあたしを不思議に思ったんだろう。


疑問系で話し掛けてくる関谷さんに


仕方なくあたしは窓から離れて背もたれに体を預けると関谷さんの方を向く。



関谷さんはそのままあたしの顔を眺めて……


そっと手であたしの目にかかっていた前髪を避けた。


「……泣いたのか」



今回は疑問系じゃない。


ハッキリと言って、心配そうな瞳があたしと同じ高さで見つめてくる。