始めの顔合わせの時にきちんと周りを見ることが出来ていればこんなことにならなかったのに。

良いように利用されて。


情けなくて、悲しくて、また涙が出そうになる。


「でも、そんな必要もなかったみたいですね」



また話しだす三浦さんの言葉をこれ以上耳に入れたくなくて。


両手で耳を塞ぎたくなった。


「普通に俺達が契約、取れそうですし」


「!そんな事っ!……」



分からないのに。


まだ分からないのに言わないでよ……。


「無理ですよ。ライバルには相手の悪い部分を探してそこを徹底的に攻めないと。もっと敵を嫌わないと……着きましたよ?先にどうぞ」