「関谷さん、」


帰ろうとしていたあたし達の元へ声が届き、あたしと関谷さんは同じ方向へと顔を向ける。



……呼んだのは、ROSEのおじさん。


その横に三浦さん、そして従業員の方。


……何か話があるのかな。



「ゴメン、先に車乗ってて」



ポケットから車のキーを取り出した関谷さんに頷いて受け取る。



チャリ、と音がしてあたしの手のひらに収まるキー。



す、と歩いていく関谷さんの背中を少し見てから、


あたしは見てるか見ていないか分からないROSEと従業員の方の方へと軽く頭を下げてエレベーターへと向かった。