耳たぶの所でトン、と指先にぶつかった。


「ピアス……?」



「今日のお礼です」


……お礼って!


さっき夕食奢って貰ったのに!

「……それ、あまり目立たないので良かったら仕事中でも付けていてください」


「……でもっ!」

さっきお礼はしてもらって…



そう続くはずだった言葉は三浦さんに遮られる。


「良いですから。気にせず貰って下さい。いらないって言われても俺は破棄するしかできませんから」


俺が付ける訳にはいきませんので……


そう付け加えてふっと微笑んだ三浦さんにまた申し訳無いと言う気持ちが。



「……本当にありがとうございました」



「仕事頑張って下さい」