「……大丈夫です。変な事はしないので、ちょっとこっちに顔出して貰えますか?」


ゆっくりと話し、おいでおいでと手を動かす三浦さんの方にあたしは素直に顔を近付ける。



……三浦さんの手は、そのままあたしの耳元へ行き、髪を耳にかける。


「少しじっとしていて下さいね?」



コクンと頷くと、三浦さんの指先があたしの耳へと触れる。


たった数秒間。



そして離れると、今度は反対側へ。

「……やっぱり似合う」

反対側も終わったらしく離れていった手と同時に、あたしの手がさっきまで三浦さんが触っていた場所へと行く。



……あ。