全力で断ったあたしに、三浦さんはそうですか、とそれだけ言ってもう一度店を見たあと歩きだした。


夕食にと選んだ店は同じ百貨店内の最上階にあるお店。


ちょうど窓際の席で、明るい街中が見下ろせた。

「……本当に良かったんですか?」



口を開いた三浦さんに窓の外に向けていた視線を正面へと向ける。


良かった?



何の事か分かっていないあたしに気付いて、三浦さんは「ROSE」と付け加えてくれた。


「俺に遠慮しなくても良いんですよ?」