「……あ」


他の店よりも中で見ている人が多くて。

スタッフさんにメイクをしてもらいながら談笑している人もいる。


その店の柱に入っているロゴ。

―――ROSE。


さすが人気ブランド。

ここの商品と張り合うんだ。


あたしがROSEの商品よりも良いって所をクライアントさんに説明して契約を取らないといけないんだ。




……できるのかな。


少しの間忘れていた不安がまた、沸き上がってきた。



「……椿ちゃん?」


ハッと気付くと向こうから不思議そうな顔をした三浦さんが歩いて来てて。

あたしはROSEの店に目を奪われていつの間にか足が止まっていた事に気付く。