抱きしめられて、耳元で聞こえてくる甘い声。 「三浦さん?」 戸惑いながらも呼び掛けた声に、三浦さんが反応してくれない。 「……好きです」 静かな室内に響いた三浦さんの声。 ギュっとあたしの背中に回っている腕に力が入るのが分かる。 「このまま、別れたくないです。……好きです」 「……三浦さん」 「初めて顔合わせで見た時から、気になってました。……カフェでも、話し掛けるタイミングを探してました」 耳に次々と届く三浦さんの声。 あたしも自然に三浦さんの服をギュっと掴む。 「……あたしも」