愛子さんには、こうして何かある度に話を聞いてもらっているから、そのお礼にサンプルを渡したりしている。


自分が少しだけでも関わった化粧品を作ってくれるって凄く嬉しい。


「……いつでもおいで」



優しくカウンターの方から顔を覗かせている久遠さんを見て、おさまっていた涙が再び出てきた。

「う……、毎日来ます……」


そう言ってカップに口付ける。


愛子さんと久遠さんはあたしの様子を見て顔を合わせて笑っていた。