完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>




タダ券はこれから契約があって使えないからっておじさんから貰った。



タダ券も無いのに、飲みに来ていたの?


「……中野さんに聞きました」



「中野さん?」


「ほら、視察の時いた」



あぁ、おじさんか。



あの人、どうせ嬉しそうに喋ったんだろうなー。


あぁ、と納得の表情を見せれば、三浦さんは微笑んで、それから急に真顔になった。


その表情の変化に、あたしも少し身構える。


「……すみませんでした、あんな冷たく接して」



真っ直ぐあたしの目を見つめて三浦さんが言った後、少しの間。