思い出してみれば今、この状況はかなり気まずい雰囲気なんじゃないの……?
あたしの視線に気付いてこっちを見た三浦さん。
反射的にあたしは俯いてしまう。
今の三浦さんは、プレゼンの時と違う優しい目をしてる。
プレゼンも終わったし、もう酷い事も言われないだろうって思うけど……
「昨日ですね?」
そんなあたしに構わずに話しだす三浦さんに、取り敢えず聞いてるよって意味も込めて俯きながらも頷く。
「バーに椿ちゃんを迎えに行ったの。関谷さんじゃなくて俺ですよ」
「…え」
「もう酔ってたみたいで。眠たそうにしながら泣いてたんで、関谷さん、って呼ばれても否定しなかったんですけどね」
……必死に記憶を手繰り寄せようとする。
じゃあ、アレ?
あたしが関谷さんと思ってぐじぐじ言っていた文句、全部三浦さんにぶつけていたと。
「大変だったみたいですね。“姑さん”からの嫌味」



