だけど、まだ胸の中がつっかえていて寝れない。 「……ヤケ酒ですか?」 スーと叩いていたグラスが宙に浮いた。 そのグラスを追いかけ、壁側に向いていた顔を反対側へ。 半分目が開いてないし、涙で視界がぼやけてるけど、あたしのグラスを取った人がスーツを着ている事だけは分かる。 関谷さんだ。 「返してください。あ、もうタダ券使っちゃったんで!頼むなら自腹ですよー」 グラスを奪い返して、また一口飲む。 「は?」 「会社の報告どうでした?姑さんに嫌味言われましたか?あたし言われましたよ……散々に」