強気なミオと優しいオミ

「あぁ…シワになるから…」


オミは困ったように笑いながら、私の手を掴んでゆっくり離した。


「徹の事はそれ以上、言わないでやってよ…
もしかしたら徹以外にも、早苗ちゃんに片思いしてる人がいるかもしれないだろ？」


オミが優しく微笑みながら言った。


「…オミも？」


自分の口から出た言葉に驚いた。


なんでそんな事聞いちゃったんだろう…


「いや…あの…別にその…」


私は明かに分かるくらい、声も目線も仕種までも動揺してしまった。


「バカだなぁ…
俺は違うよ？
例えばの話だからさ。」


オミはそう言いながら少し恥ずかしそうに笑って、私は何故かホッとしてしまった。


「このクラスは、良くも悪くも目立つし…
仲が良いからさ。」


そう言われて、私は改めてクラスを見渡した。