強気なミオと優しいオミ

「…そろそろ帰るか?
数学が手に着かないみたいだし…
遅くなると危ないし。」


そう言いながら、オミは教科書を鞄に戻した。


「はーい。」


勉強は全然進まなかったけど、元々勉強好きじゃないし…まぁ良いか。


オミの閉館準備を少し手伝って、私達は図書室を後にした。


「あっミオー♪」


まだ廊下に人がいた。


「聞いたよー♪
『ロミオとジュリエット』やるんだって?」


確かこの子はA組の子。


「もう知ってるの?」


「うん♪
さっき徹から聞いたよ?」


名前…忘れちゃったから女生徒Aで良いか。


「あいつ、何気に人脈あるからなぁ。」


オミがため息混じりに呟いた。