強気なミオと優しいオミ

「ちゃんと聞いてくださいよ…」


オミが困ったように笑った。


はぁ…


勉強は嫌いだし、図書館は苦手。


でもそれ以上に私を憂鬱にさせるのは、夏休み前から文化祭の事を考えさせる事。


すべては『ロミオとジュリエット』のせいだよ!!


完全に勉強する気がない私を、オミは苦笑いで見つめていた。


「オミ!
さっきのクラス委員(男)ひどかったよね!?」


私が言うとオミは不思議そうに首を傾げた。


「だって私達の意見なんか無視で進めてたじゃん!?
クラス委員(男)だからってひどいよねー?」


オミが思い出したように笑った。


「だから、クラス委員(男)じゃなくて徹、安達徹だよ。
もう半年近く経つんだから、名前くらい覚えてやれよ?」


「あーはいはい、徹ね?
その徹がひどいって話なんだってば!」


私は鉛筆でノートにぐりぐりと円を描いた。