強気なミオと優しいオミ

入学式は暇で仕方ない。


校長の話しは長いし、PTAの挨拶なんて正直言ってどうでも良い。


私はつい大きなあくびをしてしまった。


「澪ちゃん大きなあくび♪」


早苗が小声で囁いた。


「退屈なんだもん…」


いっそ寝ちゃおうかな?


「続いて生徒会長の挨拶。」


まだまだ続くみたいだし…


「新入生の皆さん。
ご入学おめでとうございます。」


ん?この声は…


「あっ、さっきの先輩…」


「澪ちゃん知り合い?」


早苗の問いに私は首を振った。


「さっき間違えて裏門行っちゃって。
門を飛び越えた向こう側に、あの人がいたの…」


「本当に飛び越えたんだ!?」


早苗が笑った。


「会長はすっごく頭良いんだよ?
高校模試で1番だったんだって。」


「へー…」


そんなすごい人だったんだ。