「ありがとうございました。」


コジは笑顔で生徒会室に戻って行った。


私の後任はしっかり生徒会を引っ張って行ってくれるだろう。


だから私は安心して卒業できる。


そして次に向かう先には、あの人が待っていてくれる。


成長したであろう私を見て、何か感じてくれるだろうか?


あの人に負けない私になれているだろうか?


私はクスリと微笑むと、ミオと早苗が待つ下駄箱に向かった。



…−−−…



これで、心残りなく巣立って行ける。


進む先はそれぞれ違うけれど、私達は一緒に成長し一緒に生きてきた。


だからこれからも大切な友を隣に感じ、もう片方には愛する人を感じる事が出来る。


三年間で築いた関係はこれからも変わることなく、けれど少しずつ変わりながら続いていく。


「お待たせ♪」


私達は並んで歩きだした。


残り僅かな時間を過ごす、私達の学びやがオレンジ色に染まっている。


私達は顔を見合わせて笑った。


見つめる先は、まだ見ぬ未来の様に感じた。


とても眩しくて、大切な未来に…