「蜜柑ちゃん、ちょっと良いかしら?」


文化祭も終わり、学校内もようやく落ち着きだした頃、リオ先輩が私達の教室を訪れた。


珍しい人の登場に、教室の雰囲気が一気に明るくなった。


ミオかオミ君に用でもあるんだろうと、私はたいして気にもしていなかった。


「はい?」


だからリオ先輩に声をかけられたのはかなりの不意打ちで、私は悔しいくらい間抜けな声を出してしまった。


「リオさんが、蜜柑に用なんて珍しいね?」


楽しそうにミオが笑っている。


いや、珍しいと言うより初めてだし…


「うーん…
こればかりは、ミオちゃんって訳にはいかなくて。」


リオ先輩は困ったように目を伏せた。


「…どうかしたんですか?」


私が恐る恐る尋ねると、リオ先輩は急に嬉しそうな表情になった。


「蜜柑ちゃん、生徒会に入らない?」