強気なミオと優しいオミ

「ミオ、それ以上は…な?」


オミ君が言うと、ミオちゃんは口を塞がれたままコクコクと頷いた。


オミ君がミオちゃんを解放すると、ミオちゃんは怒りを必死に堪えているような表情を浮かべた。


「私…
本当に徹君の事、好きなのかしら…」


驚いた表情のミオちゃんとオミ君を見て、私は思わず口に出してしまった事に気が付いた。


「…早苗?」


蜜柑も目を見開いて私を見ている。


どうしよう…


話してしまえば楽になるのかしら…


でも自分自身よく分かっていない気持ちを、どうしたら伝えられるんだろう…


「…あのね…」


「待った!」


私とミオちゃんの声が重なった。


「続きは学校を出てからにしない?
いつものカフェは?
あぁ、でも誰かに聞かれるかもしれないね…
じゃあ家においでよ♪
それから話しょ、ね?」


ミオちゃんはそう言うと、ニッコリと微笑んだ。