「まだ言ってるの?」


徹が呆れ気味に笑った。


「だって…
私の可愛い早苗が、徹なんかに…」


私が言うと、早苗が楽しそうに笑った。


「早苗も笑ってないで、なんとか言ってよ…」


徹は困り顔で、早苗に寄り掛かった。


「早苗も頑張ったわよね?
あんなに恥ずかしがってたのに♪」


蜜柑がクスクスと笑った。


「徹がハッキリしないから苦労するんだよね?」


オミも笑った。


「ちょっ、皆ヒドイよね!?」


徹はガクッと肩を落とした。


「でも…
私、徹君のそんな所も好きよ?」


早苗が優しく微笑むと、徹はパァッと笑顔になった。


二人が付き合いだしたのは、文化祭が終わってからだった。



…−−−…