「ごめんな…。お前、今まで辛かったのに、俺は自分のことばかりで…」 「いや、あ……そんな、事は……」 いきなり頭を下げられると、なんて言ったらいいのかわからなくなる。 「俺、決めた。」 「何をですか?」 スゥッと息を吸う音がした。 「…俺は、お前を大切にするよ。嫌われていても、浅葱の支えになる」 そういって、先輩は立ち上がる。 あたしの前でしゃがむと、 あたしの手を取って、 その手の甲にキスを落とした──