「……っぶね!」 頭上からの低い声と 真っ暗なのに暖かい感触と 耳に聞こえる少し早まった胸の音に 思わず安心してしまったのは、 なぜなんだろうか。 「誰のせいですか…」 こもった声しか出ないのが悔しいけど、 あたしはまだ離れられなかった。 まだ、恐かった。