サレンスは自分を見やるメイリアの視線に気づいたようだった。
「変かなあ、これ」
袖を引っ張るようにして言う仕草がかわいい。
「そんなことない……、か、かっこいいよ」
かわいいと言いそうになり、慌ててメイリアは言葉を切りかえる。幸い、サレンスは気づかなかったようだった。最近はさすがに彼も可愛いと言われることを喜ばなくなった。
「ほんと! 兄上のお下がりなんだ。前は大きくて着られなかったんだけど、今は丁度でしょ」
嬉しげに言う。
確かにお下がりと思えないほど彼の身体にしっくり馴染んではいるが、この年頃になれば、お下がりなんてと嫌がりそうでもある。
「お下がり、イヤじゃないの?」
「どうして? ボタン取れていたところはレジアスが付けてくれたし、手直しもしてくれたよ」
「そう」
(相変わらず、レジアス器用)
活発なメイリアであったが、どうも料理や裁縫は苦手だった。しかし、彼女の好きなレジアスは何をやらしてもそつなくこなす。正真正銘の女の子としては落ち込みたくもなる。
「兄上も喜んでくれたよ」
サレンスの上には兄が二人居る。二人とも昔は末っ子の彼には冷たく当たることもあったのだが、最近は昔よりも仲良くしているようだった。
「変かなあ、これ」
袖を引っ張るようにして言う仕草がかわいい。
「そんなことない……、か、かっこいいよ」
かわいいと言いそうになり、慌ててメイリアは言葉を切りかえる。幸い、サレンスは気づかなかったようだった。最近はさすがに彼も可愛いと言われることを喜ばなくなった。
「ほんと! 兄上のお下がりなんだ。前は大きくて着られなかったんだけど、今は丁度でしょ」
嬉しげに言う。
確かにお下がりと思えないほど彼の身体にしっくり馴染んではいるが、この年頃になれば、お下がりなんてと嫌がりそうでもある。
「お下がり、イヤじゃないの?」
「どうして? ボタン取れていたところはレジアスが付けてくれたし、手直しもしてくれたよ」
「そう」
(相変わらず、レジアス器用)
活発なメイリアであったが、どうも料理や裁縫は苦手だった。しかし、彼女の好きなレジアスは何をやらしてもそつなくこなす。正真正銘の女の子としては落ち込みたくもなる。
「兄上も喜んでくれたよ」
サレンスの上には兄が二人居る。二人とも昔は末っ子の彼には冷たく当たることもあったのだが、最近は昔よりも仲良くしているようだった。

