「メイリア、きれいだね」
サレンスの蒼い視線がまじまじと自分に注がれていることに気づいて、メイリアは居心地悪げに身動きする。青いドレスがさらさらと音を立てた。
「サリィちゃんに言われたくない気がする」
ぼそぼそと言うメイリアに、子どもは凍てつく冬空の瞳を丸くする。
「え、どうして? 女の子はきれいだって言われると喜ぶって言ってたの、メイリアだよ」
「そうだけど」
「ほんとにきれいなのに」
納得できないとでも言いたげに首を傾げながら言うサレンスは正装をさせられている。銀糸の刺繍の入った純白の長めの上着に藍色のズボン。銀と藍色はアイフェリア家の色だ。
アイフェリア家はその昔、<氷炎の民>をこの地に導いてきた指導者の直系の家である。言わば、<氷炎の民>の王家とでも言うべき家系。<神の器>もこの家から出ることが多かった。
メイリアはいつもは動きやすい軽装のサレンスしか見たことがなかった。
きちんとした正装をしている彼は、本来の非のうちどころがない麗貌がひときわ引き立っている。
そんな可愛らしくも美しい子どもにきれいだと無邪気に言われると逆に引け目を感じた。
サレンスの蒼い視線がまじまじと自分に注がれていることに気づいて、メイリアは居心地悪げに身動きする。青いドレスがさらさらと音を立てた。
「サリィちゃんに言われたくない気がする」
ぼそぼそと言うメイリアに、子どもは凍てつく冬空の瞳を丸くする。
「え、どうして? 女の子はきれいだって言われると喜ぶって言ってたの、メイリアだよ」
「そうだけど」
「ほんとにきれいなのに」
納得できないとでも言いたげに首を傾げながら言うサレンスは正装をさせられている。銀糸の刺繍の入った純白の長めの上着に藍色のズボン。銀と藍色はアイフェリア家の色だ。
アイフェリア家はその昔、<氷炎の民>をこの地に導いてきた指導者の直系の家である。言わば、<氷炎の民>の王家とでも言うべき家系。<神の器>もこの家から出ることが多かった。
メイリアはいつもは動きやすい軽装のサレンスしか見たことがなかった。
きちんとした正装をしている彼は、本来の非のうちどころがない麗貌がひときわ引き立っている。
そんな可愛らしくも美しい子どもにきれいだと無邪気に言われると逆に引け目を感じた。

