番長さんは恋する乙女



「あぁー
わりぃ。俺無理だわ」


「えっなんでですか??」


れお先輩が頭をかきながら
手を上げた。


「俺今バイト中だったんだ。
戻んねーと怒られる」


「そうっすか。
じゃあ仕方ないですね。
バイト頑張ってください」


「おぅ。じゃあ元気でな」


れお先輩は明るく
手を振りなから去った。



「れお先輩…ゲームの
ためだけにバイト
抜けてきたんだ…」


「すごい執念っすね」


「武、お前が言うな」


武もゲームのために
修行を投げ出した奴だ。

人のことは言えないだろう。


「じゃあ俺んち来ますか」


「「さんせ〜い」」


裕樹の言葉に俺たちは
喜んで手を上げた。



しかし今思えばこれは
あたしの地獄の始まり
だったかもしれない。