波は案外静かで、日はまだ沈んでなかったが海は紺色だった。
「今日は曇ってるなぁ…」
午前中は晴れていたが、午後からは曇ってしまった。
「夕日を見せたかったの?」
「う~ん。夕日も見せたかったけど実は他にもあるんだ♪」
「ふぅ~ん…。」
あたしは一生懸命考えたけど、結局優介君は何が見せたいのか分からなかった。
「降参です…」
あたしはため息を吐きながら言った。
「なに、礼さっきから一生懸命考えてたの?」
「うん…。」
「可愛いヤツめ♪」
そう言ってあたしの頭をクシャクシャした。
「わっ!ちょっ…!!」
「礼!静かに!!」
「へ?」
急に優介君はそう言い、携帯を見はじめた。

