新鮮な空気…。
鳥や虫達の声…。
静かだ…。
そんな静かな中、口を開いたのは優介君だった。
「ごめん…俺、妬いた…」
「へっ?」
「スカート…」
(やっぱり引いたんだ…)
「礼、話聞いてる?」
「ごめんなさい!!!」
勢いよく頭を下げる瞬間、優介君の驚く顔が見えた。
「いきなりスカートとかはいてきて引いたよね…!!でもこれは、美央とだけのお出かけだと思ってて…だから、あたしWデートだなんて知らなくて……。お願い嫌いにならないで!!!!」
「プっ!!礼ってあんま人の話聞かないだろ!」
「うん…まぁ…」
「俺が言ったのは…一輝が礼に“可愛い”って言ったこと!!」
優介君の頬っぺたが赤くなった。
「な…なんだ…引いてないの?」
「引くわけないっしょっ!!」
「良か…った…」
安心したとたん涙が出てきた。
「泣き虫…」
そう言ってあたしを優しく抱きしめてくれる優介君。
何か耳元で優介君の声がした気がした。
「何か言った?」
そう質問するあたしに優介君は
「“今度からスカートはいてきてね”」
そう口パクで言った。
あたしは顔が真っ赤になった。

