自分でも偶然だと分かっている。 松原もお互いに名前しか知らないような、よく分からない人の事なんか避ける理由もないし 多分千陽ちゃんと私の邪魔をしないように気を遣ったんだろうけれど だけど なぜか心が痛んだ。 一緒に喋っていた千陽ちゃんが羨ましく感じた。 ―この時から、私の中で松原は“ただの同級生”ではなくなっていたんだと思う