午前0時のシンデレラ


「樹里亜は俺の3つ年下で、初めて会ったのは俺が12、樹里亜が9の時だった」


3つ年下…ってことは、ジュリアさんとあたしは同い年じゃない。


その事実に、少しだけ胸が痛んだ。


「樹里亜は、突然現れた俺を兄のように慕ってくれた。俺にとっても、樹里亜は妹みたいな存在だったんだ」


「…ふぅん」


「そのうち、俺は樹里亜の世話係として家に置いてもらえるようになった。樹里亜は我が儘でやんちゃで、言うことを聞かせられるのは俺ぐらいだったんだ」


けど、と柳は続けた。


「1年くらい前に…樹里亜に、好きなやつができたんだ」


「………」


「結果的に、付き合うことになったんだけどさ。ほら、樹里亜と一緒にいたろ?隼人ってやつ」


柳にそう言われ、あたしはそう遠くない過去の記憶を手繰る。


そう言えば確かに、ジュリアさんの近くに男の人がいた。


「今は、2人の関係をどうこう言うつもりはない。ただ、当時の俺は…樹里亜が隼人を想う気持ちを、許せなかったんだ」


はは、と柳が悲しそうに笑った。


そんな柳の表情を、あたしは今まで何度か見たことがあった。


今なら、その理由は十分すぎるほど分かる。