午前0時のシンデレラ


「そんなに俺のこと知りたい?」


「前からそう言ってるでしょ」


何回も訊いた。

けど柳は答えているようで、そうじゃなかった。


肝心なところはいつも、鍵をかけて閉ざしていたんだ。


「柳の全てを、あたしは知りたい」


真っ直ぐに柳を見てそう言うと、失礼な世話係はまた笑う。


「分かった。話すよ」


柳は光の椅子に腰かけると、遠くを見つめるようにして、ゆっくりと口を開いた。


「…俺、実は孤児なんだ。両親が誰なのかすら分からない。気付けば知らない土地にいて、拾われてた」


「拾われた…?」


「そう。俺の大恩人だよ。今でも、俺はその人の養子になってる」


柳が嬉しそうに笑う。


「その人の家が、俺の家だった。そこで、その人の娘に出会った」


「………」


「覚えてるだろ?遊園地で会った、咲良そっくりの子。樹里亜っていうんだ」


柳を拾った人の、娘。

それが、ジュリアさん…。