パパは何とも言えない表情で、あたしが訊きたかったことを口にした。


「…柳くんなら、昨日で辞めたよ。」


「………!?」


辞め、た。

柳が…あたしの世話係を?


唇を噛むと、あたしはパパを睨んだ。


「何で止めてくれなかったの?」


「止めて欲しかった?」


逆に聞き返され、あたしは眉間にシワを寄せる。


パパはそんなあたしを見て苦笑すると、再び口を開いた。


「止めるのは、私の役目じゃないと思ったからね」


「…何それ」


あたしの役目だって言うの?


だって柳は、あたしのせいで辞めたんでしょう?


「柳は、どこ行ったの?」


「そこまでは訊かなかったよ。ただ、自分の家には戻らないって言っていた」


…じゃあ、ジュリアさんのところ…?


その疑問は口には出さず、あたしは口をつぐんで俯いた。


柳が自分からジュリアさんのところに行ったなら、あたしがどうこうできる問題じゃない。