午前0時のシンデレラ


柳は、どういう気持ちであたしに接していたんだろう。


あたしにジュリアさんを重ねて、必死に世話しようとしてた?


あの優しさは全部、ジュリアさんに向けられたものだった?


「…そんなの、嫌」


ポツリと呟くと、パパは困ったように微笑んだ。


「けど、ちゃんと言ったんだ。咲良は咲良で、その大切な人じゃないってね」


「………」


「だからきっと、柳くんの言葉に嘘はないよ」


…言葉って、どの言葉?


柳がくれた言葉なんか、たくさんありすぎて分かんないよ。


それが嘘じゃないって、本当にそう言えるの…?


「……ありがとう、パパ」


あたしはそう言うと、弱々しく微笑んだ。


部屋に戻ろうと、扉に手をかけたそのとき。


「………咲良」


名前を呼ばれて、僅かに振り返る。


「何?」


パパは少し躊躇うと、口を開いた。



「咲良は―――…」