午前0時のシンデレラ


あたしが噂通りなのか確かめるつもりだって、柳は最初に言ってた。


…わがままでやんちゃで、サルみたいとかいう失礼な噂。


その通りだったら、あたしを変えてみせるって。


「あたしは…あんたにとって、噂通りに見えるの?」


その問いに、柳は少し考える素振りを見せた。


「噂通り…を通り越したな」


「は?」


「俺にも手がつけられない程、自由奔放なお嬢様だった」


「…何それ」


褒め言葉だけど、と柳は笑う。


「…でも、思ったよりも強くない」


そう言った柳の眼光が鋭く光った気がして、あたしは固まった。


強く…ない?


「どれだけ強がってるつもりでも、俺にはお前が虚勢を張ってるようにしか見えなかった」


「………っ!」


「助けて、苦しい、って。お前の心の声が、俺には聞こえてた」


柳の視線から逃れたかったのに…逃れられない。


それこそ、魔法をかけられたかのように、身体が言うことを聞かなかった。