*‥‥‥‥‥
「…で、ここにX=3を代入して…」
―――――おかしい。
「代入したら、さらに…って聞いてんのか?」
「…聞いてマス」
やっぱり、おかしい。
何であたし、普通に勉強してんの?
何で柳が…普通なの?
「手、止まってる」
「………」
あたしは無言で手を動かすけど、数学の問題なんか全く頭に入ってこない。
尚も解説を続ける柳を、あたしは横目でちらっと見上げた。
…さっき、頭冷やしてくると言った柳は、言葉通り頭を冷やしてきたみたいで。
冷水にでも頭を突っ込んだのか、びしょびしょに濡れた髪であたしの前に現れた。
そして一言、「勉強するぞ」って。
そこで頷いたあたしもあたしだけど、何かびっくりしすぎて頷いてしまった。
そして今に至るわけで…
「人の顔見てる暇あったら、問題の一つでも解け」
「…ハイ」
何故かあたしは、柳に逆らえずにいる。

