午前0時のシンデレラ


「柳ってば!」


少し肩を揺すると、柳がうっすらと瞼を持ち上げた。


眠気が払いきれてない虚ろな瞳で、じっとあたしを見る。


「…ジュリア…」


「は?」


「………」


柳は再び瞼を閉じると、また吐息を立て始めた。


…今のは、寝言?

っていうか、ジュリアって確か。



―――『気性の荒いやんちゃな猫です』



柳の前のセリフを思い出して、イラッとした。


何よ!

あたしはそんなにその猫に似てるの!?



仕返しとばかりに、あたしは柳の頬を思いっきりつねった。


さすがにこれは効いたみたいで、柳の両目がパッチリと開く。


「…あ、帰って…痛てててててっ!!」


「あんた何してんの?」


柳の頬から手を離すと、できる限り冷ややかな視線を向けた。


…けど。


「はい!? お前を待ってたんだろ!?」


涙目でそう言われ、あたしは口をポカンと開けてしまった。