空の大切なもの


「大丈夫か?」


はっと我に帰ると、シンが心配そうに俺の顔を見ていた。


「うん、大丈夫」



もぅ、ソラには黙っておこうかなと思ったけど…



やっぱり、いつか…
気持ちの整理がついたら、伝えたいな。



「カズー?シンー?早く帰ろう」



階段の下のほうからソラの声が聞こえた。


「今、行くー!」


俺は、屋上のドアから出る前にシンのほうに振り向き、



「ソラには、まだ内緒だよ♪」


「あぁ、分かってるよ」


「あ!あとさ…」



俺は下にいるソラに聞かれないようにシンに小声で話した。


「…あぁ、分かった」




シンに確認と秘密の打ち合わせをし、俺たちは階段を降りていった。