空の大切なもの

[カズ]

ソラって本当、ミナちゃんのこと好きだよなぁ……



ピンポンパンポン
『下校時刻が過ぎました。まだ、校内に残っている生徒は帰りましょう』



「えっ!もうそんな時間!?シン、カズ帰ろうぜ」

「は~い」


ソラは慌てて、タタッと階段を下りていった。俺もその後から下りていくと、シンが後ろから来ていないのに気づいて、ドアの所まで戻った。


「シン?帰るよ~」


シンは、「あぁ」と答えて俺のほうにゆっくり歩いてきた。


「シン?どしたの?ぼーっとして」

「カズ……」


シンは俺のほうをじっと見てくる。

何?俺なんかしたっけ?

う~んと考えていると、


「カズ、さっきの『ウソ』って言ったのが嘘だろ?」

「え?」