空の大切なもの


「失礼しました」


先生の話が終わって職員室を出ると俺は鞄を置いてある教室を通り過ぎ、真っ直ぐ屋上に向かった。



ガチャ
  バタンッ




屋上に着くと俺は仰向けになった。



涙がたまっている目を袖でふいて空を見た。



「あぁぁ……
こんなこと、これからだってあるかもしれないのに……
弱いなぁ、俺……」





流れていく白い雲を、俺はしばらく眺めていた。