空の大切なもの


ガラッ


「ソラ―――!」


「ぅわっ!?」


ドアを開けると同時にカズが飛びかかってきた。


「ソラ!!数学教えて!今日当たるのに、シン教えてくれないんだよ!」


「自力で解け。」
 

「シンの意地悪~」

カズがべそをかきながらシンの方を見て言った。


「ハハ」


「どうしたの?ソラ」


いつも通りの2人に俺は安心して笑ってしまった。


なんだ……


何も心配することなかったんだ……


「何でもないよ。あ、カズ。問題は自分で解けよな」


「えぇ!?ソラも意地悪するなよ~」


「ばーか」
 

涙目になっているカズにシンがニヤリと笑ってそう言った。