控えめに俺に話し掛けてくれる人が居た。
はっとして見上げれば何とも可愛らしい学年の『姫』が俺のプリントを持っていて、ゆっくり頷くと
「おおきに」
何て呟いて軽く微笑めば、其のプリントを受け取った。
すると、周りの視線が一気に此方に向いたものだから目を見開きつつ周りを見回した。
だが俺の視線を遮る様に皆今まで通りに戻って、俺は頭上に疑問符を浮かべる。
其の様子を見かねた牧原唯はくすっと笑って
「忍足君の笑顔が素敵だったんだね」
此方に視線を向けた牧原の方が素敵なのに。
そう思ったが視線だけで『ね?』と促されたので取り敢えず頷いた。
其れから体育祭の日、運動が得意な俺は大活躍した。リレーや長距離走、騎馬戦。多方面において優秀で将来も有望。何時からか先生達の間で呟かれた。
「ね、涼ちゃん」
「何?誰やっけ…」
「俺涼ちゃんと同じクラスの中里悠輝!」
声を掛けられれば涼ちゃんだ何て呼ばれて驚いた。我ながら誰?と失礼な事を聞いてしまったのに問題が無い様にニコニコとしながら答えられ、
「そか。宜しゅうに…悠輝」
「うん」
いえい、と小さく呟く悠輝に此方はほぼ満開の笑みを浮かべていた。
今まで誰かに頼られた事すら無い俺にとって、二人との出逢いはすごく、すごく人生の中で大きかった。
はっとして見上げれば何とも可愛らしい学年の『姫』が俺のプリントを持っていて、ゆっくり頷くと
「おおきに」
何て呟いて軽く微笑めば、其のプリントを受け取った。
すると、周りの視線が一気に此方に向いたものだから目を見開きつつ周りを見回した。
だが俺の視線を遮る様に皆今まで通りに戻って、俺は頭上に疑問符を浮かべる。
其の様子を見かねた牧原唯はくすっと笑って
「忍足君の笑顔が素敵だったんだね」
此方に視線を向けた牧原の方が素敵なのに。
そう思ったが視線だけで『ね?』と促されたので取り敢えず頷いた。
其れから体育祭の日、運動が得意な俺は大活躍した。リレーや長距離走、騎馬戦。多方面において優秀で将来も有望。何時からか先生達の間で呟かれた。
「ね、涼ちゃん」
「何?誰やっけ…」
「俺涼ちゃんと同じクラスの中里悠輝!」
声を掛けられれば涼ちゃんだ何て呼ばれて驚いた。我ながら誰?と失礼な事を聞いてしまったのに問題が無い様にニコニコとしながら答えられ、
「そか。宜しゅうに…悠輝」
「うん」
いえい、と小さく呟く悠輝に此方はほぼ満開の笑みを浮かべていた。
今まで誰かに頼られた事すら無い俺にとって、二人との出逢いはすごく、すごく人生の中で大きかった。
