俺は小さな頃から腕白で先生からも煙たがられる存在だった。
元気過ぎて皆には呆れられるしあまり充実した生活では無かった。

家に帰るとろくな事が無い。
親のストレス解消の道具に使われるばかりで生傷も段々増えていった訳で。
こうなれば高校生時代は大いに荒れた。
毎日、毎日喧嘩。コンビニの前で皆で屯してみたり万引きしたり髪を明るい茶色に染めたりと色々な事を積み重ねて来たんだ。
そこで得られるメリットは何一つ無かったけど、此処が唯一息苦しくない俺の居場所だった。

だけど、俺が応戦出来なかった喧嘩が有って此方が相手に負けて皆はボロボロで、敗北を認めざるを得なかった。
彼等は一瞬にして消えてしまい結局また独りになった。

珍しく暇だからと学校に行っても明るい茶色が目立つのだろうか、色々な噂も出回ってるらしいし誰も話し掛けてくれる人すら居なくて。其れは仕方がなかった。
ついボーッとしていれば掲げられたプリントに気付くわけも無く暫く意識を少し飛ばしていた。

『ねぇ、』