災難、というべきだろうか。 俺、忍足 涼(19)は考えていた。 目の前に居るのは血だらけの俺で、彼女の牧原 唯(19)が血だらけの俺を抱き上げて辛そうな表情を浮かべて泣き出していた。 俺は此処に居るよ? 喪失感と悲壮感と自己嫌悪に苛まれたから喉が押し潰され息も儘ならない。 叫びたいのに叫べない。 泣かないで、お願い。 其の内心上の叫びはいつの間にか止んで何も感じなくなってしまった。 大学生の俺達に降り掛かった突然の災難は幕を閉じた。 俺は死んでしまったけれど。