輪廻怨縛



ホームシェアとは言葉のあやで、実際は友人を引き取って養っている。
東京競馬場で発生したとある呪いの連鎖に義妹とその友人が巻き込まれてしまったのである。


その際友人は競走馬の下敷きとなって下半身が破裂、一命は取り留めたものの、臍から下を切除しなければならなくなった。


義妹は鎖の一部に自分の彼氏が混じっていたという後ろめたさも手伝って、自分が引き取ることにしようと決めたようだ。また、この呪い騒ぎで友人から相当の恩も受けていたらしい。


「だからわたしには、ユッキ(友人のことらしい)を養う義務がある」


とも言っていた。
この誠実さが、義妹の一番いいところだと心から思う。


茶髪ロングのクルクル巻髪、頭のてっぺんから爪先までブランド品でガチガチに塗り固められた服装、山盛りテンコ盛りのマスカラ、外仕事のためキレイに黒い肌、左右に三つずつ、計六つのピアス。


どこからどう見ても典型的なギャル系なのだが、その根底には、確かに眠っているのだ。
もはや絶滅寸前であると思われていた、非常にぶ厚い義理人情というものが。