「これからお前を護衛する」
「護衛…」
一高校生にはあり得ない言葉であった。だって僕は普通のどこにでもいる高校生で、護衛なんてさせられる身分じゃないからだ
「それより、一つ部屋は余ってないか?」
「へ?」
護衛って、ずっと僕の側にいる事じゃないの?部屋を共にしたり、ずっとストーカーぽい事をしたり……
「いくら護衛とは言え、今の身形(ミナリ)を考えろ。土方歳三を抜いて、今のお前には俺はどういう風に見える?」
どういう風に………って、黒くて長いロングヘアをポニーテールにした、小柄な少女がメイド服を着たまま正座してるような感じに見えるけど…
「女と同じ部屋で過ごすコトに、お前は恥じらいを感じないのか?」
威圧的な態度なので、反論出来ようはずもない。するつもりも無いけど
「感じます」
「分かったら、部屋を一つ寄越せ。余ってないなら良い」
「余ってますよ。妹の部屋が」
その後は無言だった。僕には妹がいた。10歳くらい離れた歳の妹が。でも、今はいない。その理由は、海外で暮らす両親の元にいるのでも、他の家にいるのでも無い。死んだからだ。殺されたのだ。誰かに………