さぁっと風が髪を攫って、私は邪魔なそれをかきあげた。






コイツが本当に天使なのか、少し妄想癖のあるやつなのか。




私には分からない。






だけど、自ら命を絶つことよりも




この奇怪極まりない出来事を受け止める方が



きっと簡単で、



きっと正しいんだ。








どこまでも青い空を見上げて、私はそっと息を吐いた。