ユビサキからあなたへ

俺は、暗闇を淡く照らす携帯電話を握りしめた。


せめて…せめて俺の勘違いであってくれ…。


通話ボタンを押す前に、もう一度だけ祈るように深呼吸をした。

1…

2…

心の中で3つ数えて、
ふぅっ!と気合いとためいきの混じった息を吐く。


よっし!


通話ボタンに指をのばし、携帯電話を耳に近づけた。