茶碗に半分残ったご飯を一気にかきこみ、携帯電話を片手に夕食の席を立った。


「ごちそうさま。」

「あら、洋介もういいの?」

母の慶子が台所からひょこっと顔を出した。

「今日あんまり腹減ってない。」

久しぶりに親に嘘をつく。




親には聞かれたくない。


俺はただその一心で階段を駆け上がり、二階の一番奥にある自分の部屋のベッドに潜りこんだ。