ユビサキからあなたへ

「それでも、練習はいらない。…うん。必要ないよ。大丈夫。」

洋介は、この前友香に食ってかかった時と同じ真剣な顔で俺を見つめた。





なんだ、次期野球部部長候補の肩書きもダテじゃねぇな。
心配するだけムダだったか。





「そーかい。じゃあとっととセリフ考えて晩メシ終わるまで心の中で念仏みたいに唱えとくこったな!」

俺はそう言うと同時に、激励の意味も込めて、いつものようにいつも以上の力で洋介のおでこを思いっきり叩いた。