ユビサキからあなたへ

「聞けねぇよ!聞けねぇけどさ!友香に任せてお前は何もしないでうまくいったとして…。それで満足なのかよ!」



洋介が黙った。

俺と洋介の荒い息遣いだけが廊下を通り抜ける。






「もう!やめなよ悠。」

他の生徒の人目を気にした友香が俺の手をほどいた。



洋介は言葉さえ無いものの、俺の目を見続けている。

俺も負けないように視線を逸らさなかった。





友香が長いため息を吐く。

この数秒が5分にも、10分にも感じた。