ユビサキからあなたへ

「田村!休憩終わり!」




サッカー部のキャプテンが竜二を読んだ。




「…っと。わり!行かなきゃ!」

竜二の顔が一瞬で元に戻った。

もういつもの竜二だ。



「まっ、見た感じ大丈夫そうだし…よかったわ!」



え?あれ?

待って!話は?



「じゃ!部活頑張れよ〜っ!」

そう言って竜二は走って行ってしまった。





何だったんだろ。

何を言いかけたんだろ。

よくわかんなかった。








でもそれでも、竜二の笑顔を見ただけで気分が少し晴れた。

恋の力ってすごい。